
水都大阪 ホッとなニュース&ブログ
「自分のことが気になりすぎる」
そんな感覚を、ここまで言語化できるものなのか。
綾瀬ちいさんの本、「フツーに生きる」がなんでできないのやっと気づいたから聞いて。
この本を読みながら、何度も手が止まりました。
そこに書かれていたのは、単なる体験談ではなく、
“自分という存在に囚われてしまう状態”のリアルな描写でした。
本記事では、各章の中で特に印象に残った言葉を引用しながら、
「なぜそれが刺さったのか」を自分なりに整理していきます。
そして、“自分に囚われるとはどういうことなのか”を考えてみたいと思います。
これは読書感想文というよりも、
自分自身の思考を整理するための記録であり、
同時に「生き方」を見つめ直すための備忘録でもあります。
まず、簡単に自己紹介しておきますと、私は大阪市在住のおじさんです。
心理学や発達障害などには、それなりの理解があります。自宅の本棚には、こんな本が並んでいますし、これ以外に、電子書籍も読みます。ちなみに、ゼミと卒論を残して、早稲田大学人間科学部 e-school を中途退学しています。

自宅の本棚
私自身は診断を受けたことはありませんが、母親が言うには「あなたは4歳までまったく喋らなかった」そうです。それでも、知覚過敏はありませんし、好き嫌いなくなんでも食べられます。ただし、スポーツは、子供のころから慣れ親しんだ特定のものはできますが、初めてのものには全く不器用です。若いころは、対人コミュニケーションが本当に苦手でしたし、1つの作業が行き詰まると他の仕事も止まってしまうマルチタスクのできない人間でした。
新卒から数年で鬱になって引きこもり、転職しては鬱になって引きこもりを3回くらい経験しました。30代後半から今の職場にお世話になり、それ以降はなんとか落ち着いて暮らしています。
今回は、いつも Youtube で楽しませてもらっている綾瀬ちいさんの本を読んで、各章ごとに自分が面白いと思ったり刺さったところを書き留めながら、最後にこの本を読んで思い出したことなどを備忘録的に記したいと思います。
第1章 地獄!人生通して承認欲求との同棲生活!
まず、第1章。受験の話とかバイトの話は、Youtube でも聞いていましたが、それでもやっぱり面白いですね。
それで、着眼点がちょっとネガティブなのですが、一番気になったのは受診の際のお医者さんの一言です。
”「ただ言えることはこれだけ凸凹が大きいと、普通の人のように(例えば企業に入社して会社員として)働くのはかなり難しいのではないか」”
それは、事実として、そうなのかもしれません。ただ、行政や、就労支援の事業所につないであげたらいいのになと思いました。本当は、そういうアドバイスがあったのかもしれませんが。
第2章 順調人生の雲行きが怪しくなってきて、思わぬ方向に横転!
”他の人よりも少しだけ上手に言葉を操れる私だからこそ、困っていることを面白おかしく人に伝えられるし、誰かの心をちょっと軽くすることもできる”
申し訳ないですが、本当にそうですね。本人が困っているという前提があって、かつ、それをあの口調で喋ってもらえるから面白いんですよね。そして、こう思ってしまいます。「それだけわかってるんなら、どうにかしたらいいやん?」と。笑
うつ病くねくね期の話では、こんなことが書かれています。
”でも本当に小さいところに現状を変えうるスイッチが転がっていて、それを無意識のうちに押せたら、少しずつ世界が変わって、落ちていた時には想像もできなかったところへ行くことができるのだろう。”
経験者にはわかると思うんですけど、本当にそんな感じです。そして、やっぱり大切なのは、「どうにかしよう」「抜け出そう」と思う気持ちです。
”私の表現が全編において稚拙であるのは私が大人になった証なのだ。”
この文が、とても、良いなと思いました。なんか、こちらも読んでいてホッとしました。
第3章 普通ではない人間たちの「生きづらい!」を少しでも軽くしよう委員会
”就職界では「服装自由」という表記があっても基本的にはスーツで行くのがマナーであるらしい”
きっと、これはいろんな考え方があると思います。企業によっていろいろだとは思いますが、スーツを着てこなかったという理由だけで本当に来てほしいと思える学生さんを落とすことはないと思います。(【スーツ着用】と書かれているのに、ジーパンとポロシャツで行ったら落とされると思いますが)
心配ならば、こんな風に会社に問い合わせるのが良いと思います。
「よく聞くところでは【服装自由】と書かれていても実はスーツで行かないといけない慣習があるようですが、実際に何を着ていけばよろしいですか?」
その問い合わせで、「この子、仕事できるな」と好意的に受け取られる可能性もあります。
”冷笑していた「陽キャ」はえらかっただけ”
「陽キャ」とか「陰キャ」って、えらいとか、えらくないとか、そんなんじゃないと思うんですよね。
血液型の A型・B型・O型・AB型って、どれが偉いとか、偉くないとかないじゃないですか。血液型占いで刷り込まれた勝手なイメージはあるかもしれませんが。
違う例えで言うと、パーとグーとチョキってどれが一番強い?みたいな、そんな感じで、「陽キャ」とか「陰キャ」って別にどっちでも良いと思うんですよね。私も、若いころは暗いタイプの人間だったので明るい人が羨ましいと思っていました。でも、実はどっちでもいいなって思います。
”「この人から何をしてもらったか」をメモ帳に書き出すなどして、物理的にギブとテイクのバランスを取ることにした”
これは、ムチャクチャいいアイデアだなと思いました。そして、それを実行しているのも素晴らしいと思います。
人にやられた嫌なことっていつまでも忘れられないのに、逆に、良いことってすぐに忘れるんですよね。だから、これ、ムチャクチャいいなと思います。
”私は自分に「これがやりたい!」がないことに愕然とし、もうその時点で就職がかなり嫌になった。”
「これがやりたい!」というものがないとダメだというのは、就職支援会社の刷り込みだろうと思います。大学や高校を卒業するのは20歳前後です。その年代までに、必ず「これがやりたい!」が見つかるかっていうと、そんなことはないはずです。そんなもの、一生見つからないかもしれません。
例えば、親が病気で亡くなったことを機に医師や看護師になりたいとか、小さな頃からの夢でパイロットやサッカー選手になりたいというのはわかります。でも、普通の会社に就職するのに、そんな情熱的な動機なんかありませんよね?
働く先として何を優先して選定するのかは人それぞれだと思います。ただ、学校を卒業したら「働かないといけないから働く」だけなんです。会社側の人間だって、自分が通ってきた道ですから、そんなことはわかっています。就職支援の会社が企業の採用担当者のインタビュー記事なんかを作って、煽っているだけな気がします。
会社の本音は、ただひとつ。戦力になって、かつ、長続きする人に来てほしい。(その中には他の人と仲良くやっていく能力も含みます)
だから、「これがやりたい!」がないからと言って、嫌になったり、落ち込んだりしないでください。あまりにも、もったいないなと思います。一部の有名企業は別ですが、中堅・中小企業はどこも人手不足で困っています。
第4章 ルッキズムに心すり減る人生から降りて平穏に行きたい
”軽率な容姿いじりを許すな”
これは、本当にそう! 一方で、子供にわからせるのは難しい。だから、もっと大人の理解が必要なんだと思います。
”もうこれ以上歪んだ認知で苦しみたくはない”
本当に、そうなんでしょうね。この本を通して伝えたかったのは、「ASDだから生きづらい」というよりも「認知の歪みが激しいから生きづらい」ということなのではないかと、私は受け取りました。そして、その「認知の歪み」の存在の大きさと、矯正の困難さが伝わってきます。
”ネットや本で見た、「自己肯定感を上げるための方法!」と銘打たれたあれこれはあらかた全て試した。”
「自己肯定感」という言葉の定義がいろいろとあります。綾瀬さんが書いているような「自分が大好き」「オレってすごい」というポジティブシンキング的な理解が広がっていると思います。
私も、以前はそう思っていたのですが、どこで聞いたのか覚えていないのですが、今の私はこんな理解をしています。
「チームで特別な成果を出していなくても、そこにいていいと思えるし、たとえチームがなくなっても自分の価値は変わらないと思える状態。それが自己肯定感が高い状態。」
自己肯定感が低いから転職を繰り返すとか、不登校になるというのは、間違ってはいないと思うのですが、「自己肯定感が低いこと」と「転職を繰り返すこと」や「不登校になること」は、実は同じ状態を言っているだけで、因果関係を説明しているわけでないという理解です。
ここからは、本書から離れた話です。私の備忘録。
私が役に立つと思うソーシャルスキル
私は、学生時代はみんなと仲良くやっていたつもりでしたが、就職してから会社では他人とうまくコミュニケーションが取れませんでした。朝の挨拶さえも、緊張して、どのタイミングで「おはようございます」と言っていいのかわかりませんでした。
そんな私が、長く生きてきて役に立つと思うソーシャルスキルを並べてみます。
▼ 話しかけるときは、まず相手の名前を呼ぶ
▼ 年上・年下・役職に関係なく丁寧な言葉で話す
▼ 話すときは、ゆっくりと穏やかな声で話す(発声が大切)
▼ 人の話を聞くときは、傾聴と共感を忘れない
▼ 話すときも聞くときも、穏やかな表情でいる
▼ パソコンを触っているときも、たまに口角を上げる(筋トレ)
▼ 無駄と思わずに、無駄話をする
▼ 感情的にならない(怒ったら損でしかない)
▼ 自分の意見に固執しない(どっちみち給料は変わらない)
こういうことを実践すると、周りの人に好かれます。笑
人のコミュニケーションは、バーバルが1割、ノンバーバルが9割という話がありますが、本当にそうだと感じます。
「認知の歪み」に関する書籍
今回の綾瀬ちいさんの本を読みながら、頭に浮かんだキーワードは、「認知の歪み」「アドラー心理学」「認知行動療法」でしたが、その界隈で私のおススメの本はこちらです。
わたしが「わたし」を助けに行こう -自分を救う心理学-
橋本 翔太

わたしが「わたし」を助けに行こう
綾瀬ちいさんへの感謝
今まで、ASDに関する本を何冊も読みました。それは、医師や心理士などの専門家が書いた本や、外国人が当事者として書いたものでした。今回、日本人で当事者の綾瀬さんの本を読むことで、さらにASDの理解が深まりました。もちろん、ASDと言っても特性は人それぞれに違うので、1つの例として読ませていただきました。
それでも、ASDをはじめとする「フツーではない」とされがちな人たちにも優しい社会が構築される方向に、影響を与えてもらったように感じます。本当にありがとうございます。
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Youtube: https://www.youtube.com/@Ayase_Chii








