世界初!大流量の液化水素ポンプ運転試験に成功!

世界初!大流量の液化水素ポンプ運転試験に成功!

株式会社酉島製作所

~超電導モータをはじめて産業機械に搭載し*¹、高効率を達成~

株式会社酉島製作所(以下:トリシマ)と国立大学法人 京都大学 工学研究科 中村武恒特定教授(以下:京都大学)は、高温超電導モータを搭載した世界初となる大流量・高効率の液化水素ポンプを開発。このたび、その運転試験に成功しました。液化水素の効率的な大量運搬は、水素コストの大幅な低減に寄与することから、水素社会の実現に向けた大きな一歩となります。

世界初!大流量の液化水素ポンプ運転試験に成功!

1.開発の背景
カーボンニュートラルの達成には、燃焼時にCO2を排出しない「水素」の活用が欠かせません。しかしその実現には、水素コストの低減が必須です。そのためには、水素を液化し800分の1の体積にして大量運搬することが有効な解決策として考えられます。その際に必要不可欠となるのが、-253℃まで冷却した液化水素を、大流量、かつガス化しないよう効率的に移送するポンプです。

「ポンプで世界を救う」を使命とするトリシマは、この開発に果敢に挑戦。2021年、京都大学と共同で開発に着手し、2023年度には、NEDO*²の助成事業「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」に採択され開発を加速してきました。

2.開発のポイント
(1)高温・高圧多段ポンプで培った技術を活かし、5,000 min-¹の高速回転を実現
密度の小さい液化水素を昇圧するためには高速回転により高いポンプヘッドを実現させる必要がありますが、ポンプ振動や軸スラスト制御に対して高い技術力が要求されます。これについては、トリシマがこれまで高温・高圧多段ポンプ開発で培った技術を最大限に活かしました。

(2)超電導モータを利用することで、液化水素のガス化を抑制
液化水素が -253℃であるという極低温環境を逆に利用し、京都大学 中村武恒特定教授が研究開発されてきた高温超電導モータを採用することでモータ発熱を極限まで低減、液化水素のガス化を抑制しています(BOG:Boil Off Gas 発生を抑制)。これにより、効率的な液化水素の昇圧が可能になりました。

(3)トリシマと京都大学の技術を融合し、新しい価値を創出
トリシマが長年培ってきたポンプ技術と京都大学が研究開発してきた高温超電導モータに関する技術を組み合わせ、従来の技術的な課題を解決するポンプが誕生しました。

3.運転試験の概要
3月6日(水)・7日(木)に、国立研究開発法人 宇宙研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場(秋田県)で-253℃の液化水素を用いた運転試験を実施。想定通りの性能を確認することができました。液化水素ポンプとして世界最大流量、遠心ポンプによる昇圧量として世界最高圧を達成。技術面・コスト面での大きな課題をブレークスルーする革新的な成果です。開発したポンプの仕様は以下の通りです。
流量:30.5 m³/hr
圧力:1.6 MPa
回転数:5,000 min-¹

4.今後の展開

世界初!大流量の液化水素ポンプ運転試験に成功!

このたびの成果は、NEDOの助成事業の結果得られたものです。2030 年以降の水素サプライチェーン商用化に向けて、さらなる大流量、高圧力をめざして開発を進めていきます。これにより、水素供給コストを国が将来的な目標として掲げる20円/Nm³までの低減に貢献してまいります。
私たちが開発を進める大流量・高効率液化水素ポンプは、水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」のすべてのプロセスにおいて必要不可欠であり、さまざまな分野での需要拡大が見込まれます。

*1:2024年3月現在、当社調べ
*2:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

【株式会社 酉島製作所概要】
1919年創業のポンプ専業メーカー。上下水道施設や発電所、海水淡水化など向けの大型・高圧ポンプに強みを持ち、世界100ヶ国以上にポンプを納入。ポンプを通して「安心・安全な社会の構築」と「省エネ」に貢献し、「社会に欠かせない企業」をめざす。

本社:大阪府高槻市宮田町1-1-8
上場市場:東証プライム 6363
公式ウェブサイト: https://www.torishima.co.jp/

【京都大学工学研究科 中村武恒特定教授プロフィール】

1998/03/01九州大学 大学院システム情報科学研究科電気電子システム工学専攻 博士後期課程修了 (博士(工学))
1998/04/01京都大学 大学院工学研究科電気工学専攻(工学部電気電子工学科兼担) 助手
現在        京都大学 大学院工学研究科電気工学専攻 特定教授
         (公財)応用科学研究所 招聘研究員 (兼任)
          京都先端科学大学工学部 非常勤客員教授 (兼任)
主として、電気-機械エネルギー変換の第一原理的研究、常電導および超電導回転機に関する基礎研究と車載他システム応用に関する研究開発に従事。電気学会、IEEE、低温工学・超電導学会、応用物理学会、自動車技術会各会員。

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